以前の記事で「ADHD」をご紹介しました。
まだご覧になっていない方は、こちらからご確認ください。
そして今回は「ASD」について取り上げます。
「ADHD」と同様、知っておくべき言葉であり、関わる方々にとっては放っておけない症状です。
今回は「ASD」の内容を広く紹介するとともに、ASDの方へのコミュニケーション方法についてもご紹介します。
最後までご覧頂くと、ASDの
- 基本的なことがわかり、当事者のことを理解できる
- 当事者との関わり方がわかり、良好なコミュニケーションが取れる
- 当事者が意識すべきコミュニケーション方法がわかる
ようになります。
是非これらの点を意識しながら読み進めて下さい。
ASDとは
ASDとは、
自閉症スペクトラム障害の略称で、神経発達障害の一つ
です。
特徴としては、
- 人との交流や関わるのが苦手
- コミュニケーション能力の障害
- こだわりが強いなどの行動異常
が見られます。
ASDは幼少期に発症する場合が多く、現状では「生涯にわたって継続する=完治ができない」障害だといわれています。
社会的なやりとりの困難
具体的な症状として、社会的な交流が難しいという特徴があります。
例えば、
- 人と目と目を合わせるのが苦手
- 名前を呼ばれても反応をしない
- マイペースな行動が目立つ
などが挙げられます。
コミュニケーションの障害
他の人よりもコミュニケーションを図るのが難しいのもASDの大きな特徴です。
具体的には
- 言われた言葉をそのままオウム返しする
- 表情などから相手の気持ちを読み取ることができない
- たとえ話をされても理解が難しい
- 自分の興味のある話を一方的にしてしまう
- 冗談や曖昧な表現が理解できない
などがあります。
こだわりが強すぎる
こだわりが強すぎるあまりに、物事を上手く進められないという側面もあります。
例としては、
- 決まった順序・道順にこだわる
- 予定が変わるとパニックを起こす
- 活動の切り替えが苦手
- 好きなことや興味のあることへの知識が豊富
上記の例は一例に過ぎませんが、ASDの方の大きな特徴です。
発症のタイミングや重症度に個人差はありますが、社会的なコミュニケーション能力や認知能力に障害があることが共通点といえます。
ASDの診断基準
ASDは、DSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル)に記載された診断基準が用いられています。
上述した「コミュニケーション困難」や「こだわり行動」といった特性による困り事が、
- 複数の状況(学校や家庭など)で起きていること
- それにより日常生活や社会生活で大きな影響が出ていること
- 6か月以上継続していること
が診断基準として使用されています。
診断は医療機関で行われます。
つまり、受診しない限り患っているかどうかもわかりません。
この点はADHDと同様です。
このような方々が世の中には大勢いて、社会の中で生きづらさを抱えながら生活しています。
発症原因
ASDの発症原因には遺伝的要因や環境的要因などがありますが、現在のところ明確な原因はわかっていません。
ただし、脳の発達に関する問題があることが知られており、
- 胎児期の脳の発達異常
- 遺伝的要因
- 出生時や幼児期の環境
がASDの発症につながるといわれています。
治療法と対処法
ASDの治療法には、行動療法や認知療法、言語療法、薬物療法などがあります。
行動療法
行動療法は、望ましい行動を促進するために、報酬や誘因を使って、ポジティブな反応を引き出すことを目的とした治療法です。
ASDの人にとっては、
- 感覚過敏
- 繰り返し行動
- 社会的交流の欠如
など、さまざまな問題があります。
そのため、行動療法では、それらの問題を改善するために、特定の行動を習慣化するように促します。
例えば、社会的なスキルを向上させるために、ゲームや模擬状況を使ったトレーニングを行います。
認知療法
認知療法は、ASDの人が自分自身や周囲の人々を理解し、自分の感情を適切に表現するために、認知スキルを改善することを目的とした治療法です。
認知療法は、ASDの人が抱える不安や抑うつなどの精神的な問題を解決するのに役立ちます。
例えば、自己評価や思考パターンの改善を促すことで、ASDの人が自己肯定感を高め、ストレスに対処するスキルを身に付けることができます。
言語療法
言語療法は、ASDの人が言語やコミュニケーションのスキルを向上させるために行われ、人とのやり取りに必要なスキルを訓練します。
例えば、
- 発話スキル
- 聴取スキル
- 社会的言語スキル
などがあります。
また、ASDの人にとっては、非言語的なコミュニケーションにも困難を抱えているため、非言語的なコミュニケーションスキルの訓練も行われます。
ASDにおけるコミュニケーション
ASDにおけるコミュニケーションには、以下のような方法が効果的です。
非言語コミュニケーション
ASDの人々は、
- 表情
- ジェスチャー
- 目線の使い方
など、非言語コミュニケーションに困難を抱えることが多いです。
そのため、周囲の人々が彼らの気持ちや意図を理解するためには、非言語的なサインを理解することが必要となります。
例えば、ASDの人々は感情表現に制限があるため、他のサインを通して感情を理解する必要があります。
言語コミュニケーション
ASDの人々は、言語コミュニケーションにおいても困難を抱えることが多いです。
彼らは、話題を変えたり、相手の話を聞いたりすることが難しく、自分の興味のあることについて話す傾向があります。
また、言葉のニュアンスやジョークの理解が難しいため、会話が上手くいかないことがあります。
ASDの方の話しを親身になって聞いてあげることで、円滑なコミュニケーションを図ることが大切です。
また興味関心を広げられるような提案をすることで、ASDの人の可能性を広げられる機会を提供しましょう。
行動異常
こだわりが強すぎる行動は、社会生活に支障をきたすことがあります。
そのために行動の柔軟性を持たせることが大切です。
- 普段とは異なる手順で行ってみる
- 思い通りにならなくても大したことないと認識する
- 好きな匂いや音に囲まれるように環境を整える
こだわりが強いことは悪いことではありません。
付き合い方さえ間違えなければ、上手く付き合っていけるでしょう。
これらの支援を受けることで、ASDの人々はコミュニケーションの困難を克服し、より豊かな人間関係を築くことができるようになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はASDの内容とそのコミュニケーションについて紹介しました。
ASDもADHDも、医学的な観点では症状を克服するのは難しいとされています。
しかし、症状から目を背けていても何も改善されません。
症状と向き合いながら、自分にあった方法でコミュニケーションを図っていきましょう!
「障害を持つ方への配慮を周りの方がどれだけできるか」ということも非常に大切です。
当事者だけでなく、第三者である社会全体で考えていくべき問題です。
そのことを忘れないでいて下さい。
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